
湯浅 さつき
日本ナチュラルピライティス協会代表理事
一般社団法人日本ナチュラルピラティス協会は、「すべてのひとりに、ピラティスを。」という理念のもと、質の高い指導者の育成と企業の健康経営支援を通じて、日本の健康寿命延伸に取り組む団体です。
代表理事の湯浅さつきは、日本にピラティスが普及する以前から指導者として活動を続け、2009年のスタジオ開設、そして一般社団法人の設立に至るまで、一貫してピラティスの本質的な普及に携わってきました。
本物のピラティスを、正しく伝えたい
── その一念で、この協会を立ち上げました。
私がピラティスと出会ったのは、日本でこの名前がまだほとんど知られていなかった頃です。流行になるずっと前から本場の理論に向き合い、自分の身体で確かめてきました。いま、ピラティスは大きなブームの中にあります。だからこそ、最初に本物へ触れた一人として、その基準を守りたいです。
ピラティスを知る前
もともと私は、身体の弱い人間でした。子育ての最中に、ぎっくり腰を三度も経験したほどです。一念発起して運動を始め、ストレッチ、ヨガ、ダンス……良いと聞けば次々に学び、指導の現場にも立ちました。けれど十数年が過ぎたころ、再び腰と膝の痛みに悩まされるようになりました。動いているのに、根本は変わっていなかったのです。
ピラティスは「メソッド」が九割
転機は、リハビリから生まれたというピラティスでした。やってみると、思うように動けない。その「できなさ」にこそ、痛みの本当の原因が隠れていました。インナーマッスルの不足、長年の癖。全身の軸をつくり、脳から身体へ正しく指令を伝え直す ── 使い方を整えていくうちに、痛みもこわばりも消え、生まれ変わったように軽い身体になりました。
そのとき分かったのは、ピラティスの価値はマシンでもポーズでもない、ということです。ジョセフ・ピラティスが「コントロロジー」と名づけた、六つの原則に基づくメソッドこそが本体でした。
- 集中(Concentration)── 自分の身体と筋肉の動きに、意識を向ける。
- 呼吸(Breath)── 呼吸を止めず、動きと連動させる。
- 中心(Centering)── 体幹(パワーハウス)を起点に動く。
- 制御(Control)── 勢いや反動に頼らず、筋肉で動きを支える。
- 精密(Precision)── 一センチ単位で、正確に、丁寧に。
- 流れ(Flow)── すべての動作を、途切れさせず滑らかにつなぐ。
道具をそろえれば本物になる、わけではありません。ピラティスは、メソッドが九割。この六原則を、自分の身体で体現できる指導者を育てること ── それが、私が次の世代へ手渡したいものです。








一般社団法人設立の経緯
協会なのか?
本物の環境でなければ、本物は伝わりません。2009年、本物のイクイップメント(マシン)を揃えたスタジオ「P-body」を開きました。けれど一つのスタジオで伝えられる人数には限りがあります。そしていま、人気とともに、短期間の資格や、器具を並べただけの〝それらしさ〟、利益を優先する教え方も増えています。本物を、利益のためではなく基準として守り、次の指導者へ手渡す ── そのために、一般社団法人を設立しました。
もうひとつ!健康経営の推進
もう一つ、いま経営者の皆さまにお伝えしたいことがあります。
スキルやノウハウは、これからAIがいくらでも教えてくれます。けれど、社員の健康だけは、AIには守れません。若い人は減り、定年は延びていく。いま「ミドル」と呼ばれる40代も、これからは立派な「若手」として数えられる時代が来るかと思います。
だからこそ、四十代の社員の身体を、今のうちに守る。
それが、これからの従業員研修だと私は考えています。ピラティスは、特別な才能も、激しい運動も要りません。正しいメソッドで身体の使い方を整えるだけ。デスクワークで固まった身体を、長く働ける身体へと戻します。
これからのこと
六十を過ぎた今も、私の身体がいちばんの証拠です。ピラティスに、年齢は関係ありません。本物だからこそ、すべての人に、安全に、確かに届けられる。私はこれからも、その本物を企業へ、そして次の世代の指導者へと伝えていきます。
すべての人に、ピラティスを。
当協会は、その転換を担う人材を育てることが、私たちにできる最大の社会貢献だと考えています。企業の健康経営への支援、認定トレーナーの輩出、そしてワークショップを通じた裾野の拡大——これら三つの柱を通じて、ピラティスの本質を日本全国に届けていくことが、私たちの使命です。
すべてのひとに、ピラティスを。
代表理事 湯浅 さつき
